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法とSoul

行政書士試験に向けて、語呂(例、【受験外にて消滅と表現】→表見代理の3パターン、授与表示、権限外、代理権消滅後)を用いたり、趣旨理解や、横断的に学習内容を眺めるなどして、記憶にいかに残すかを軸にした学習の過程を綴ります。

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憲法と行政手続法の関係


 問:行政上の不服申立ての道を開くことは、憲法上の要請ではないので、この制度を廃止しても、憲法違反とはならない。(○) 

上記は行政不服審査法についての問題です。行政不服審査法は、憲法上の要請ではなく、制度を廃止したとしても憲法違反となるわけではありません。対して、行政手続法の存在は憲法にその根拠を求めることができます。

憲法31条 何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命もしくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。
 

平成4年7月1日成田新法事件において最高裁は、「行政手続は、刑事訴訟手続きとその性質において自ずから差異があり、また、行政目的に応じて多種多様であるから、行政処分の相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、行政処分の性質により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、行政処分により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合衡量して決定されるべきであって、常にそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である」という限定付きの判断を下しますが、行政手続法の制定はかねてから本邦の立法課題でもあったようで、昭和27年より何度か類似法案の提出が図られ、内容の調整が図られつつ、平成5年になってついに日の目を見ることになります。

 さて、行政手続法では行政機関の処分の相手方に対し、告知、弁解、防御の機会を与える旨の規定があります。

 行手法において、行政庁は処分の内容と、その処分をする理由について告知をする義務が規定されます(14条1項前段:行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない)。 また、弁解と防御の機会として聴聞や弁解の機会の付与の制度も設けられています。

 そして、聴聞についての告知もまた、行政庁に義務付けられています(15条1項:行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。不利益処分の内容、根拠法令、処分の原因事実、聴聞の期日・場所、聴聞事務を所掌する組織の名称・所在地)。

 聴聞に際しては、不利益処分の相手方である国民は、当該処分がどのような証拠に支えられているかを知ることで反論もできましょうから、行手法には文書閲覧権の条項も置かれます(15条2項:前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない~2号:聴聞が終結するまでの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる)。

 また、文書閲覧権は利害関係人たる参加人にも認められています(18条当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結するまでの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果にかかる調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる(正当理由があるときは別))。

 その他、憲法と行政手続法の関係としては、憲法による地方自治の保障の規定との関係性において見られます。行手法3条では、法の適応除外となる事項について示されますが、3条3項において、地方公共団体の行政指導と命令などを定める行為、条例・規則を根拠に置く処分・届出が適応除外とされるのは地方自治の尊重があるためと言われます。ただし、最終条において、地方自治においても、行手法のような透明適正な規定を設けるよう努力義務を課す定めが置かれています。

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